(表)
(上段)

 専祈保祐平安廈広宮通一般
奉再興右精誠抽丹誠     天臣
 君子高名天運顧威風挙世万姜纂

(中段)

敗壊転倒奇哉?*玄へんに少*哉雖為房州大守任天下威風西国在伯州倉吉県建立神社
仏閣其高名無隠天地開闢以降億兆不限乎随世応時節西送斜陽雖然日月不地
東迎素月於刹那有何疑乎君臣快楽児孫栄盛国家安寧神力堅固仏門柱礎
大忍世界須孫南畔国自能島之中山陰道伯州路久米郡北条郷八幡神社[   ]
莫檀之至徳棟宇千楹万柱大梁小椽無恙奪却三軍帥明万国民丈恩垂風朝君[   ]
忠孝武運之道交朋友則専仁義礼智信五常之徳智剣在掌握掃蕩魔外群累生前功徳   里見四位侍従忠義公
輝天照地君臣誇太平化罪浪□仏吉律逮□子孫国家安泰忝清和天皇朝臣八幡太郎箕裘広正苗裔


(上段)
誠心誠意をつくして神社を再興いたします。
            天下の臣として。
 私が専らに祈ることは、神のお助けによって平安が保たれ、広大な社殿が一般の人々に
知れわたり、君主が名をあげて、天が与える運命によりおごそかな威光が顧みられ、世の
中がすべて盛んになることであります。
(中断)
 社殿がこわれて転倒する(自分の敗北、没落にかけていう)ということは誠に奇妙なこと
で、安房一国の太守でも、今は徳川家のご威光に任せて西国の伯耆国倉吉の地に住んでい
る。当家は天地の開闢以降数限りなく神社、仏閣の建立に力を尽くし、その名は天下に隠
れないほどであるのに、世の移りかわりに応じて西国に斜陽の日々を送らなければならない。
 しかしながら日や月が地に落ちないかぎり、東方から再び明るい月を迎える時が必ずくる
のである。君臣の快楽、子孫の繁栄、国家の安寧、神力の堅固や仏門の柱礎えお願って、こ
の世界の中の日本の山陰道伯耆国久米郡北条郷の八幡神社は[  ]香り高いすぐれた徳
によって、棟木も軒も、千本万本の柱も、大きな梁や小さな垂木も、すべての建立を無事
に終了した。安房国の太守の地位を奪われても、安房国の多数の民衆の思いは明らかであ
る。私は彼らに大きな恩を施し感化をのこしてきたのであるから。
 君主というものは忠孝を[  ]武運の道をもって朋友と交わり、仁義礼智信の五常の徳
を専ら行い、剣を握って悪魔の群れをはらい、生きているうちに功徳をつむことによって天
地を輝かし照らすものである。君臣は世の太平を誇り、罪は消え[  ]仏のめでたい戒律
が子孫におよび、国家が安泰であることを願う。私はもったいなくも清和天皇の流れをく
む源朝臣八幡太郎義家の業績を広く正しくうけつぐ子孫である。
           里見四位侍従 忠義

  解読・訳 館山市立博物館 岡田晃司氏
《小宮義夫さんの資料から》