ヘーゲルを読む会

会について 

 顔ぶれがすこしずつ変わりながら、20年以上にわたってヘーゲルをドイツ語原書で読んできたのが、「ヘーゲルを読む会」です。

 隔週木曜日の夜、十名前後の会員が集まってなにをやってきたのか、と、来し方をふりかえると、以下の三点がおもな活動内容だったといえるような気がします。

  一、ヘーゲルのドイツ語を一行一行丁寧に読んでいく。

  二、ヘーゲルの思想に照らして現代の問題を考え、逆にまた、二十世紀末、二十一世紀初頭という現時点から十九世紀前半のヘーゲルの思想をとらえなおす。

  三、ヘーゲルを読むという共同の営みを土台としつつ、会員個々人のものの見方や考え方をぶつけあう。

 出席者の全員にドイツ語を半ページから一ページ訳してくることが課題として与えられます。ドイツ語に慣れた人は自分の当番以外の所も訳してきます。

 当てられた人がまずドイツ語を音読し、つづいて日本語訳をし、訳のよしあしをみんなで検討し、難解な箇所についてはそれぞれが自分の読みかたを提案し、一人分の訳がおわったところで、そこでヘーゲルがいおうとしていることについて各人が自由に疑問や異見や反論をだす。そんな形で会は進行します。一回に読むのはズールカンプ版で六ページが大体のめどですが、討論を重ねながら六ページを読むには二時間半という時間は十分とはいいにくく、最後のほうはかけ足になることがよくあります。

 おわって、近くの居酒屋で飲み食いしながら雑談に興じますが、ぐっとくだけた酒席での歓談では、各自の生活意識や人となりが見えてきて、これまた楽しいひとときです。

 『精神現象学』を読みおわって、『法哲学講義』を読むにあたり、インターネットを通して新会員を募集することになりました。ヘーゲルをドイツ語で読み、ヘーゲルについて幅広く、多面的に考えたい方の参加を望みます。

                                      
長谷川 宏

正義のありか2002.6

翻訳『哲学史講義』成立事情 1997.5「『ヘーゲルを読む会』読了記念誌」から

長谷川 宏の著作・翻訳

著作他

「ヘーゲルの歴史意識」講談社学術文庫1998<初版 紀国屋新書1974
「ことばの探求」現代書館1976
「ことばへの道−言語意識の存在論」講談社学術文庫2012<初版 勁草書房1978
「赤門塾通信きのふ・けふ・あす−こどもたちとの知的共同体を求めて」現代書館1980
「黒田喜夫−村と革命のゆくえ」未来社1984
「言語の現象学」世界書院1986
「格闘する理性」河出書房新社1987 新書MC 洋泉社2008
「おとなと子どもの知的空間づくり−赤門塾の20年」明治図書出版1990
「同時代人サルトル」講談社学術文庫2001<初版 河出書房新社1994
「ヘーゲルを読む」河出書房新社1995
「新しいヘーゲル」講談社現代新書1997
「しあわせのヒント」共著(長谷川摂子+長谷川宏)河出書房新社1997
「ヘーゲル『精神現象学』入門」講談社選書メチエ1999
「ヘーゲル」編著(思想読本知の攻略1)作品社2000
「哲学者の休日」作品社2001
「丸山真男をどう読むか」講談社現代新書2001
「魂のみなもとへ−詩と哲学のデュオ」共著(谷川俊太郎+長谷川宏)近代出版2001朝日文庫2007
「日常の地平から」作品社2003
「いまこそ読みたい哲学の名著」光文社2004光文社文庫2007
「思索の淵にて―詩と哲学のデュオ」共著(茨木 のり子+長谷川 宏)近代出版2006
「高校生のための哲学入門」ちくま新書2007
目次:@自分と向き合うA人と交わるB社会の目C遊ぶD老いと死E芸術を楽しむ F宗教の遠さと近さG知と思考の力
「ことばをめぐる哲学の冒険」毎日新聞社2008
目次:第一章 愛 第二章 誕生 第三章 亡霊 第四章 平和 第五章 旅
 「生活を哲学する」 岩波書店 哲学塾 2008
目次:生活と哲学とのあいだ/子育ての経験/大衆の原像とは/晴れと褻/夏合宿という生活経験/個人、家族、地域
 「ちいさな哲学」 春風社 2009
目次:食の風景・人とのつながりのなかで・日曜日の哲学・美術にふれるよろこび・書物から哲学が始まる・水俣へ・あとがき
 
「初期マルクスを読む」岩波書店 2011
目次:第一章ヘーゲルからマルクスへ 第二章対自然・対人間-『経済学・哲学草稿』を読む1- 第三章全人的人間像-『経済学・哲学草稿』を読む2- 第四章社会変革に向かって-マルクスの人間観- 終章労働概念の変容
 「日本精神史 上下」 講談社 2015

  


翻訳

ハーバーマス「イデオロギーとしての技術と学問」平凡社ライブラリー<初版 紀国屋書店>1970
フッサール「経験と判断」河出書房新社1975
デュフレンヌ「言語と哲学」せりか書房1979
ヘーゲル「哲学史講義 上・中・下」 河出書房新社1992
ヘーゲル「哲学史講義 T−W」 河出文庫2016

ヘーゲル「歴史哲学講義 上・下」 岩波文庫1994
ヘーゲル「美学講義 上・中・下」 作品社1995
フッサール「現象学の理念」作品社1997
ヘーゲル「精神現象学」 作品社1998
ヘーゲル「法哲学講義」 作品社2000
ヘーゲル「論理学 哲学の集大成・要綱第一部」 作品社2002
ヘーゲル「自然哲学 哲学の集大成・要綱第二部」 作品社2005
ヘーゲル「精神哲学 哲学の集大成・要綱第三部」 作品社2006
ゴンブリッチ「美術の物語」共訳 ファイドン2007
アラン「芸術の体系」 光文社古典新訳文庫2008
 目次:はじめに 第一章創造的想像力 第二章ダンスと装飾 第三章詩と雄弁
 第四章音楽 第五章演劇 第六章建築 第七章彫刻 第八章絵画 
 第九章デッサン 第十章散文 追記 解説長谷川宏 年譜 訳者あとがき
マルクス「経済学・哲学草稿」 光文社古典新訳文庫2010
アラン「芸術論20講」 光文社古典新訳文庫2015